神奈川県藤沢市・江の島に鎮座する江島神社は、欽明天皇13年(552年)の創建と伝わる、関東を代表する古社です。
島全体が神域とされ、古くから海上安全や航海守護を願う人々の信仰を集めてきました。
御祭神は、日本神話に登場する三姉妹の女神「宗像三女神(多紀理比賣命・市寸島比賣命・多岐都比賣命)」で、辺津宮・中津宮・奥津宮の三つの宮にそれぞれ祀られています。
芸能上達や音楽、財運、縁結び、開運招福の神として全国から多くの参拝者が訪れます。
源頼朝や北条氏、徳川家康をはじめとする歴史上の人物からも厚く崇敬され、江戸時代には江の島詣が庶民の人気を集めました。
朱塗りの社殿や朱色の鳥居、相模湾を一望する絶景、島内に点在する史跡や名勝が調和し、歩くだけでも神秘的な雰囲気を味わえます。
また、日本三大弁財天の一つとして知られ、奉安殿には八臂弁財天や裸弁財天が祀られています。
歴史、信仰、自然、そして湘南の美しい海が織りなす江島神社は、心身を癒やし、新たな活力を授けてくれる特別なパワースポットです。
江の島神社
アナザーストーリー
杉山和一(すぎやま わいち、1610~1694)は、日本の鍼灸史において最も重要な人物の一人であり、「近代日本鍼灸の中興の祖」と称えられています。
現在でも多くの鍼灸師が用いる管鍼法(かんしんほう)を考案したことで知られ、江の島とは切っても切れない深い縁があります。
幼い頃に病気で失明した和一は、鍼術を学ぶため江戸へ出ますが、なかなか技術が上達せず、師匠から破門されてしまいます。
失意の中、「弁財天のご加護をいただきたい」と江の島の弁財天(現在の江島神社)へ参籠し、岩屋で21日間にわたる断食修行を行いました。
満願の日、帰る途中で一つの石につまずいて転倒し、手に触れた松葉が筒状の木の葉(または竹筒)に包まれていたことから、「細い管の中に鍼を通して刺す」という発想を得たと伝えられています。
これが、日本独自の刺鍼技術である管鍼法誕生の伝説です。
このとき、和一がつまずいた石は現在も「福石(ふくいし)」として江島神社境内に大切に保存されています。
「福石のそばで物を拾うと福運に恵まれる」との言い伝えがあり、鍼灸師をはじめ多くの参拝者が訪れる名所となっています。
福石の近くには、江の島参詣のために杉山和一が建立した「江の島弁財天道標」や、和一を偲ぶ墓もあります。(江ノ島神社)
その後、和一は管鍼法を完成させて名医となり、五代将軍・徳川綱吉の治療を任されるまでに出世しました。
また、世界で初めてともいわれる視覚障害者のための鍼灸教育施設「杉山流鍼治導引稽古所(鍼治学問所)」を創設し、多くの鍼灸師・按摩師を育成しました。
この功績により、今日でも視覚障害者の職業教育や日本の鍼灸医学の発展に大きく貢献した人物として高く評価されています。
現在、江島神社の福石は全国の鍼灸師にとって特別な聖地であり、毎年多くの鍼灸学生や施術者が技術向上を願って参拝しています。
また、東京都墨田区には杉山和一を祀る江島杉山神社があり、鍼灸師で神社に祀られている極めて稀有な人物として、その功績は今も受け継がれています。
住所
〒251-0036
神奈川県藤沢市江の島2丁目3番8号





