青島神社(宮崎県宮崎市)は、宮崎市の沖合に浮かぶ青島全体を境内とする、全国でも珍しい神社です。
島へは弥生橋を渡って徒歩で参拝でき、周囲を取り囲む国の天然記念物「鬼の洗濯板」と呼ばれる波状岩が、神秘的な景観をつくり出しています。

亜熱帯植物が生い茂る島内は、まるで南国の楽園のような雰囲気に包まれ、宮崎を代表する観光・パワースポットとして人気を集めています。
御祭神は、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと・山幸彦)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、塩筒大神(しおつつのおおかみ)の三柱です。

日本神話に登場する山幸彦と豊玉姫は夫婦神であることから、縁結び・夫婦円満・安産のご利益で特に有名です。恋愛成就を願う若い参拝者や、良縁を求める人々が全国から訪れています。
境内には、願いを書いた紙をこよりにして奉納する「産霊紙縒(むすびこより)」や、天の平瓮(あめのひらか)を模した「天の平瓮投げ」など、願掛けを楽しめる体験型の参拝スポットも充実しています。
また、「元宮」へ続く参道は、亜熱帯植物に囲まれた神秘的な空間で、島全体が神域であることを実感できる癒やしの散策路となっています。
青島神社は、日本神話の舞台として語り継がれる宮崎の魅力と、雄大な自然が見事に調和した神社です。青い海と空、鬼の洗濯板、南国の緑、そして神話の世界が一体となった景色は、訪れる人に特別な感動を与えてくれます。
〒889-2162
宮崎県宮崎市青島2丁目13番1号
物語
山幸彦(やまさちひこ)と豊玉姫(とよたまひめ)の物語は、『古事記』や『日本書紀』に記された、日本神話を代表する恋愛と別れの物語です。また、天皇家の祖先につながる重要な神話としても知られています。
山幸彦とは
山幸彦の正式な名は**火遠理命(ほおりのみこと)**です。
兄の**海幸彦(うみさちひこ/火照命)**と暮らしていました。
兄は海で漁をする海の幸を得る者、弟は山で狩りをする山の幸を得る者でした。ある日、お互いの道具を交換してみようということになりましたが、山幸彦は兄の大切な釣り針を海で失くしてしまいます。
兄は怒り、「元の釣り針を返せ」と許しません。
困り果てた山幸彦の前に、**塩土老翁(しおつちのおじ)**という神が現れ、「海神の宮へ行けばよい」と助言します。
海神の宮で豊玉姫と出会う
山幸彦は海の底にある海神(わたつみ)の宮殿へ向かいます。
宮殿の井戸のそばで休んでいると、美しい姫が水を汲みに来ました。
その姫こそ、海神の娘である豊玉姫です。
豊玉姫は山幸彦の美しい姿に心を奪われ、父である海神に知らせます。
海神も山幸彦を歓待し、二人は結婚しました。
山幸彦は海の宮殿で三年間幸せに暮らします。
釣り針を取り戻す
やがて山幸彦は兄との約束を思い出します。
海神は魚たちを集めて調べさせたところ、鯛の喉に釣り針が刺さっていることが判明します。
無事に釣り針は見つかり、海神はさらに
- 潮満珠(しおみつたま)
- 潮干珠(しおふるたま)
という、潮の満ち引きを操る神宝を授けました。
山幸彦は地上へ戻り、この神宝によって兄・海幸彦との争いに勝ちます。
兄は弟に服従し、その子孫が隼人族になったと伝えられています。
豊玉姫の出産
その後、豊玉姫は身ごもり、地上へやって来ます。
「私は海の者なので、出産の姿を決して見ないでください」
と山幸彦に約束させます。
しかし山幸彦は好奇心に負け、産屋をのぞいてしまいます。
すると豊玉姫は、人間ではなく巨大な八尋和邇(やひろわに)、すなわち巨大なワニ(古くはサメなどの海獣とも解釈されます)の姿になって出産していました。
正体を見られた豊玉姫は深く恥じ、海の国へ帰ってしまいます。
玉依姫と神武天皇へ続く系譜
豊玉姫は、生まれた子の
鸕鶿草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)
を妹の**玉依姫(たまよりひめ)**に託します。
玉依姫はその子を育て、後に夫婦となります。
二人の間に生まれた子の一人が神日本磐余彦尊(かむやまといわれびこのみこと)、すなわち初代・神武天皇です。





